物語を売り買いする

すべては妄想の産物である

XXY

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その三毛猫は両性具有だった。

性遺伝子がXXYという、ちょっとした奇形だったのだ。

それは男性の形をしていたが、生殖能はとても弱かった。

そして女性的な美しさを持っていた。

 

その三毛猫は眠った。

雨季の、凶暴な生命力がむんと立ち込める、ブナの森の中で、眠った。

ブナたちは三毛猫を憐れんで、それを眠らせた。

三毛猫は、もう目覚めたくないと、願ったので、その通りになった。

 

三毛猫は自らの遺伝子を残すことはなかったが、優しいブナの栄養になった。

雨季のブナが特に美しい理由である。