2012-01-24 郷愁 私は家に帰ろうとしている。 私は家に帰りたいと思っている。 でも家がどこだかわからない。 私に家があるのかもわからないんだ。 私の帰るべき場所はどこだろう。 命の費える前にそれが見つかるか、どうか。 それを見つけるために、私は飛んでいる。 私の羽はそれを求めている。 私を突き動かす衝動である。 母親と手を繋ぎ帰る少女の 傍らをスイと飛びながら、 蜻蛉は今日も飛び続けている。